大工の魅力

大工の魅力

大工 / 田尻 忠照

大工 / 田尻 忠照

考え方

徹底した現場主義

私のモットーは徹底した現場主義。大工ですから打ち合わせだけして、仕事は業者さん任せということは絶対にありません。

各業者さんであっても打ち合わせした人が現場に入るのが基本です。大工もお客様の意見や想いを直接聞くことによって良い家を造るという感情が入りやすくなるので、必ず、打ち合わせとした職人が現場で作業することを徹底しています。これを徹底することによって施主様も安心して大工に任せらせると思います。

雰囲気を作るのも大切な役割

ものづくりはもちろん、どんなことでもモチベーションはすごく大切だと思います。私も一人の大工として現場に入る事はもちろんですが、施工管理者としてたくさんの業者をまとめ、最高の雰囲気を作ることも大切な役割だと考えています。

仕事に対して

私は大工として20年以上やってきました。私より優れた職人さんは沢山いると思います。しかし、お客様の「想い」をしっかり形にできる職人はたくさんいるのでしょうか?人の下で働いているときは元請けさんや社長の言うことを形にしていくことで必死でした。少し余裕ができてくると、自分ならもっとこうするのに…と「欲」がでてきました。

ただ、立場上それを表に出すことはできません。独立することによって自分のやり方というものを、お客様と相談し実行することができるようになりました。嬉しかったですね…

大工として

大工として

私は大工です。大工工事において他人に任せるということは「妥協」することだと思っていました。それは、他人が自分と全く同じように動き造り上げるなんてありえないからです。

しかし、他の職人さんと協力することによってさらに発展した発想が生まれることもあります。職人どうしの意見交換など横の繋がりもとても大切だと感じています。

仕事を一緒にやるだけでなく互いに意見を言い高めあえる仲間と一緒に仕事がしたいですね。基本は一人で現場やっちゃいますけど…あっ!決して独りぼっちなわけではないですよ!ちゃんと助け合う仲間はいます。素晴らしい職人さんは皆忙しいですから…

ゆくゆくは誰かを一から育ててみたいとも考えています。田尻建築で育った職人がどんな建築を生み出していくかすごく興味があります。

そして、自分が築きあげたものの一かけらでも誰かに伝わって残っていったら素敵だなと思います。

対話

コミュニケーションがすごく大切

コミュニケーションがすごく大切だと考えています。とても当たり前なことなのですが、実際の現場で実現するには施工管理者の対話力が問われます。

お客様との対話、職人との対話。昔と違い「職人=黙々と仕事だけをする」ではなくなってきていますから、お客様との対話内容を施工に携わるたくさんの職人と共有し心をひとつにすることはの良い家造りに必要な大切な姿勢だと思っています。

創作建築

現代はさまざまな建築工法があります。デザインにおいてもいろいろな手法を取り入れて新しいものを生み出すことを各工務店もやっていると思います。私もそういった施主様が感動する「創作建築」を目指しています。

建築のプロは、経験が長くなればなるほど、「これで間違いない!」と思ってしまい一つの方向性でしか考えられなくなってしまう場合があります。木の壁も素敵です。

漆喰も素晴らしい。クロスも探せばさまざまな種類があります。和紙を貼るのも良い。時には畳を壁に使うのも面白いかもしれません。

私はお客様や業者さんとのコミュニケーションを大切にし「想い」や「発想」を読み取ることを第一に考えています。

対話

お客様の「想い」を感じとる

毎日同じ仕事をしていると色んなことが当たり前になりがちです。本当に気をつけなくてはいけないと思っています。

私たちにとって当たり前の日常もお客様にとっては念願の一生に一度の瞬間なのですから、金額もこのくらいかかって当たり前・・・
そう思ってしまうことは本当に危険だと感じます。お客様のそういった「重み」や「想い」を感じとることのできる大工さんたちともの造りをしていきたいと思っています。

人柄

飛騨の大工

飛騨の大工

飛騨地区に生まれ、大工になりたいと思い始めたのが小学校5年生でした。そこから高校を卒業して本当に大工になることができました。大工になってから沢山の人に出会い、沢山のことを教わりました。

先人達が飛騨の技術を確かなものにしていただいたのもあり、飛騨地区の大工さんは良い技術持った人がたくさんいると思います。技術のある職人さんは他人の仕事を見てすぐに学び取ることができます。

人の造ったものから学び、自分の造ったものからいつか誰かが学ぶ・・・そんな互いを高めあう職人でありたいと思います。

伝統の工法が誰かの手によって生み出された日があるように、今まさに生み出される技術やデザインもあると思います。偏った考えでなく「温故知新」古きを訪ね、学び、新しきに生かすことができるように精進していきたいと思っています。

人生について

私は早くに結婚して子育てと仕事に没頭してきました。そのせいで「趣味」がこれといってありませんでしたが、独立することが決まると同時に業者さんに教えてもらい海釣りを始めました。

「生きる」ことの喜びとは何か?と昔はよく考えました。子育てをしているときは子供の成長が生きる喜びでした。仕事をしているときはお客様の笑顔が達成感になり喜びでした。ふと思いました。子供はいつか自分から巣立っていく。もっと自分自身が楽しみ喜びを感じることを探すべきでは?と・・・そこで教えて頂いたのが海釣りでした。川が近い地方ですが、海は不意に釣れる大物に驚かされたり、水平線に沈む夕日がきれいだったり・・自分にはとても刺激的でした。自分にかける時間やお金があっても良いものだなと遅いですが気づきました。

それからというものやってみたいことは沢山できました。カメラもやってみたい、神社や寺・城なども巡ってみたい。今はどれも思っているだけで終わっていますが・・・

家造りは人の人生に寄り添うもの

さまざまなものに興味をもつという事はとても人生を豊かにしてくれるものだと感じました。好奇心はとても大切。家造りにおいても好奇心は大切です。家は住人の鏡です。家は人生。

お客様の人生の話を聞くと、こんなのはどうだろう?その趣味ならこうしてみるのはどうだろう?子供がふえるからこうしますか?子供が育ったらこの部屋はこう使いますか?家でお酒を飲むならこんな風にしたらどうですか?・・・・・

たくさん浮かんできます。家造りは人の人生に寄り添うものなのだと感じています。そうですね…そういったときお客様の人生を、好奇心を持って聞くのも私の趣味の一つなのかもしれません。

人との出逢いは学ぶことがたくさんあります。学ぶことの大切さを社会にでて初めて知りました。勉強とは机に向かってするばかりではない…

私は人から学びとることが好きな人間なのだと感じています。全ての人から学び、家造りに生かしていけたらと思っています。

大工 / 田尻 忠照

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